20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

介護保険料を若い人たちも納める時代がくるか

今回の記事では、当ブログで初めて、介護保険を取り上げたいと思います。

 

ちょっと前の話ですが、NHKニュースで、「介護保険料の負担対象を厚労省が拡大を検討」ということをやっているのを見ました。


さて、どういうことでしょうか。


そもそも、介護保険って何???っていう人ばかりかと思いますので、簡単に説明しますと、介護保険は、介護が必要になった時にサービスを受ける際、しっかり月々の保険料を払って入れば、利用料の9割分を保険でみるので、ご自身は1割分の負担だけでよいですよ、、とする制度です。


高齢者の方々は、特に75歳以上を過ぎると、体も不自由になって、日々の生活を送るのが大変になったり、転倒して車いすや寝たきりになったり、認知症を発症するなりして、自分だけで生活していくのが難しくなる場合がよくあります。

 

この際に、利用できるのが、介護サービスです。

 

例えば、お家にヘルパーさんが来て掃除や食事の介助をやってくれたり、デイサービスといって、日中は一人で家から出て、リハビリやレクリエーションなどをやってくれる施設に通ったり、はたまた、特別養護老人ホームなどの施設に入所してそこに住まわれたり・・というお金について、本当は結構な額になるのですが、それをみんなの保険料(と税)で賄ってあげるよ、ということです。

 

これが介護保険です。

 

でも、若いみなさんにとっては、毎日仕事をして、休日は思いっきり遊んで、元気ピンピンなので、上記の介護サービスなんて利用しませんよね?


なので、使うチャンスの少ないサービスのために、毎月保険料を払ってられませんよね。

服とかおいしいごはんとかにお金を使いたいですよね。

介護になった時のリスクヘッジのために保険料を強制的に払わされるなんてやってられませんよね。

 

ということなので、介護保険の保険料は40歳以上の方しか払わないということになっています。


この40歳以上になっているのは、以下のような理由です。

 

① 40歳くらいになると、両親も70歳くらいになっているだろう。両親の介護が必要になった場合、介護サービスがない世の中だったら、家族が介護をしなければいけないが、介護保険のサービスのおかげで、それはしなくていいことになっている。そのため、両親を介護する負担が軽くなるという恩恵があるため、保険料を支払ってください。

 

② 40歳であっても、加齢に伴う疾病(関節リウマチとか骨粗鬆症とか・・)によって介護が必要になったら、介護保険のサービスを受けられるというように制度が設計されています。そのため、大体40歳以上になれば、体にもガタが来はじめて、介護保険のお世話になる可能性も高いだろう。なのでリスクヘッジの観点から保険料を払って下さい。

 

現在、上記の「40歳以上」という線引きのラインを、もっと引き下げてはどうか、ということが議論されています。なぜかというと、介護保険の財政状況があまり芳しくないことが一つの要因です。

 

介護保険にかかっている費用は10兆円くらいですが、半分は税金が使われ、半分がみなさんの若者や、高齢者が払っている保険料で賄われているわけです。

 

介護費は高齢化にともなって、がんがん伸びているわけですが、それに伴って、一人ひとりが納めるべき保険料もがんがんあがってくるわけです。

 

そのため、もっと保険料を払う人を増やせば、一人当たりの保険料の額が減らせるね、ということで、昔から、この40歳のラインを引き下げるかどうか、、という議論がされているのですね。


ですが、若い人にとっては、月々のなけなしの給料からさらに介護保険の保険料まで払うなんてとんでもない、ということになるので、
この40歳のラインの引き下げをするのであれば、介護保険の制度設計を見直す必要があります。

 

それは具体的にいうと、
今、介護保険は、加齢に伴う病気で介護が必要になったときには介護保険を使えるというわけですが、それでは若い世代に恩恵はありません。

 

これを見直して、「加齢に伴わない理由でも、」何らかの病気やけがでとにかく介護が必要になったら、全部介護保険が使えるようにする、ということです。

 

実際今も、そういう人に対しては、「障害サービス」といって介護保険と他の制度で、行政がサービスを提供しているのですが、いわば、介護保険に障害サービスも含めてしまおう、ということになるのではと思います。

 

いずれにしても、この40歳ラインの引き下げ問題については、若い人みんなが、「確かに介護が必要になるリスクが自分にもあるから、保険料を納めるのもしょうがないかな」と思える納得感がないと難しいのかな、と思います。

 

この問題を紹介しているNHKの解説室のURLを紹介しておきます。
http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/252019.html

 

最後に少し脱線しますと、

保険というのは、「保険料を払っていれば、給付をうける権利がゲットできる」という仕組みです。


よく職場に生命保険のお姉さんが営業にいらっしゃるかと思いますが、生命保険に加入して、毎月保険料を払っていないと、自分が死亡したときにお金はおりませんよね。てか、当たり前ですよね。

 

でも、毎月保険料を払ってれば、いくら生命保険会社の経営が悪化していたとしても、お金を請求する権利はみなさんにあります。毎月の保険料で、死亡したときにお金をもらう権利をゲットしているわけです。


そして、「社会保険」というのは、「保険料を払いたくなくても、有無を言わさず強制的に」保険料を皆に払わせ、それと同時に保険の給付を受ける権利を与えるというものです。

これは、法律で決まっているので、「俺は絶対に保険料を払わない」という人がいたら法律違反になります(まぁそういう人もいますが。)。

 

そのため、社会保険を制度設計するにあたっては、みんなが、「この問題に対しては、みんながいつか抱える可能性があるから、社会全体でリスクヘッジする必要があるな」と思うことが必要です。

 

例えば、火災保険を強制的に国民全員を加入させるという制度をつくろうとした場合、豪邸を持っている人は火災が起きたら困りますが、家財が全くない人はそこまで火災になっても困らないですよね。

 

そのため、火災保険は「国民を強制的に」加入させる社会保険にはなじまないと思います。なので、それは民間の保険会社のテリトリーということなのですね。