20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

過去最大の政府予算とその裏にある改革

インド旅行を企画して調べていたのですが、その中で発見した写真の一枚…

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タージマハルの入場料

 

外国人 1000ルピー
インド人 40ルピー

 

なんという差でしょう。。

ちなみに1ルピーは1.7円くらいです。

 

外国人旅行客なら、そもそもインドまで来て、タージマハルの入場券なんてケチるわけありませんし、そもそもお金持ちですし

確かにこれくらい求めても、タージマハルにくる人は少なくなることはないでしょう。

 

 

さて、今年の年末に政府の予算案が閣議決定されました。社会保障費はそのうち35兆円強、過去最大となっています。

 

政府の予算案というのは、例えば平成29年度の予算でしたら、

 

1. 平成28年の夏に各省から、来年度はこれくらいの額が必要!、と予算を要求する←概算要求といいます

 

2. 財務省が、これって本当に必要な予算なの?って査定しまくる

 

3. 与党の議員とかも含めて議論し、平成28年末に内閣で予算案をこれで行こう!と決定する←予算案の閣議決定(今ここです。)

 

4. 政府が提出する予算案を国会で議論する

 

5. 予算が成立する(平成28年度末)

 

という、プロセスになっていますので、

 

昨今のニュースはあくまでも、政府部内での予算案の決定でしかなくて、国会においで議論されていないので、まだ日本の来年度予算としてはオーソライズされていないのですね。

 

そのため、予算「案」と言っているわけです。

 

さて、今年の社会保障費も過去最大です。それは、簡単に言うと高齢化が進み、医療費や介護費が増大しているからです。

 

医療費や介護費の多くは、税金で賄われていますので、それらが、大きくなると、自然と社会保障費も増大するのですね。

 

恐らくこのトレンドはしばらく続き、来年度の社会保障費、来来年度の社会保障費も過去最大になるでしょう。

 

高齢化が進むと、しかも、高齢者の中でも後期高齢者と呼ばれる75歳以上の人が増えると、彼らの一人当たりの医療費や介護費は75歳未満の人より高いので、医療費や介護費は増大するのですね。

 

そのような中、国は毎年、社会保障費の伸びを5000億円程度にしよう!、という目標を立てています。

医療費や介護費の伸びというのは、沢山の要因があります。


1. 高齢

 

2.医療の高度化。難しい医療が普及すると難しいので、医療の単価が高くなります

 

3. 診療報酬や介護報酬の改訂。医療や介護の値段は、国が決めています。そのため、国が単価を上げ下げすれば医療費・介護費は上下します

 

などです。

 

政府はこのうち、社会保障費の伸びを高齢化の影響のみの範囲内に収めようとしています。それが5000億円ということです。

 

厚生労働省は、夏の概算要求の時点で、6400億円くらい、来年度はプラスで必要だ!と計算していましたが、これをどう5000億に収めるのかが、注目されていました。

 

結果はどうだったのでしょう。

実は5000億円の範囲内に収めたのですね。

 

では、どうやってそれを達成したのでしょうか??

 

沢山の要因がありますが、例えば以下の改革を行うことを決定し、制度を変更することで、社会保障費を抑えることに達成したのです。

 

少し長くなりますので、読みやすいようにしましたが、面倒だったら飛ばしてくださっても構いません。

 

1. 高額療養費の見直し
皆さんはあまり馴染みが無いかも知れませんが、月々の医療費が相当高くなってしまった場合、負担できなくなることがないように、実は毎月の医療費の負担額に上限が定められています。

これについて、来年から比較的所得の高い高齢者について、月々の負担上限額を上げることとしました

 

2. 高額介護サービスの見直し
1. と同じく、介護保険にも毎月の上限額というものがあります。これについて比較的お金を持っているだろう人の上限額をあげることとしました

 

3. 介護保険の利用者負担割合の3割負担の導入
介護保険は、利用した場合そのかかった介護費について、普通の人は1割、比較的所得が高い人は2割となっていますが、かなり所得が高い人について3割負担とすることとしました

 

4. 所得が高い企業に属する人の介護保険料の引き上げ
介護保険の保険料について、現行制度では所得の低い企業も、所得の高い企業も、同じくらいの介護保険料を納める必要がありますが、これを所得の低い企業にいる人は保険料を少なく、高い企業にいる人は多く払ってもらうことにしました

 

5. その他もろもろ
前取り上げた凄い高い薬剤(オプジーボという薬です)の薬価の緊急改訂、慢性的な病気で入院している人に対する入院費用の引き上げ、などを行うことにしましました

 

 

ちょっと長くなってしまいました。


皆さん、お気付きの点はありませんか?

 

ずばり、お金を比較持っている人、負担が増えることとなっていますよね。

 

タージマハルの入場券ではありませんが、所得がある人からは利用料や保険料の負担が増えることとなっています。


勿論これだけでは無いのですが、このようなことを通じて、社会保障費の削減を図っているのですね。

 

なんだか、お金の持っている人が可哀想な気がしますが、、なんでこのようなことが起きているのでしょうか。

 

医療費や介護費が前述の通り増大している中、どのようにその費用を賄うかが問題になっています。


それは誰からお金を頂くのか、ということと同じ意味なのですが、一番負担をあげても影響が少ない人ってやっぱり、お金を持っている人なんですよね。

カツカツで生活している人からよりお金を負担していただくのは、その人の生活に直結しますよね。

 

そういう当たり前の事なんですが、お金を持っている人にはより多くのお金を負担していただく、という改革が最近のトレンドのように感じます。

 

ですが、あまりこういう事を進めると、お金持ちの中には医療保険介護保険に入りたく無い!という人が増えてくるかもしれませんし、

折角お給料上がったのに、保険料なども上がって相殺された!、とかいう問題も起きそうです。

 

そういう事を踏まえると、確かに、国家財政が喫緊の状況で、負担能力がある人は相応の負担をしていただく、というのは必要な改革かと思いますが、他にも、

 

1. 本当に医療保険介護保険で賄うべきサービスなのか? 例えば風邪とかにかかっても医療保険で面倒みなくてもいいんじゃないか?
2. 非効率な医療や介護はないか?、費用対効果的に高すぎるものもあるのではないか?

 

などなど、誰が費用を持つかという話では無くて、そもそもの費用の発生源を見直そう、という話やそれに向けた改革論が盛り上がってくるのかと思います。

 

タージマハルからここまで来ました。

観光地ではお金のことでケチケチしたくはありませんが、そんな事を思ったわけです。

 

それでは皆さん良いお年を…!