20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

介護離職ゼロとは。。(一億総活躍社会)

 今回は、一年前くらいによくニュースにも取り上げられていました、「一億総活躍社会」について取り上げたいと思います。

 

ニュースの移り変わりは早いもので、そもそも何だっけ?という方も多いのではないでしょうか。新しいものを打ち出した際は結構な話題になりますが、一旦打ち出されてひと段落したら、人間忘れるものですね。

 

一億総活躍の前は、地方創生が盛り上がっていましたよね。今年は働き方改革、というのが目玉なのでしょうか。。

いずれも今の社会に必要なものを重点的にプラン作りをして、取り組むわけですね。

 

さて、一昨年の秋に、現政権の「新三本の矢」が打ち出されました。それは、

① 希望を生み出す強い経済(GDP600兆円)

② 夢を紡ぐ子育て支援(希望出生率1.8)

③ 安心につながる社会保障(介護離職ゼロ)

の3つでした。この三本の矢を具体化するのが、一億総活躍社会のプランです。

 

子育てや社会保障も充実すれば、消費が喚起され、労働市場への参入も進む、その結果経済もよくなり、その成長の果実が子育てや将来の不安の解消につながる・・・という循環を生み出していく、という関係性にあるようですね。

 

一億総活躍とは、政府の資料によると、

少子高齢化という日本の構造的な問題について、正面から取り組むことで歯止めをかけ、50年後も人口1億人を維持
● 一人ひとりの日本人、誰もが、家庭で、職場で、地域で、生きがいを持って、充実した生活を送ることができること

とのことです。

 

日本の人口は減少局面であり、毎年数十万人ずつ減っています。それを食い止めるということ。日本の出生率は2005年に1.26で最低になってから、少し持ち直して、今は1.4くらいです。これを2020年に1.6、2030年に1.8、2040年に2.1となると、ちょうど、人口を一億人をキープできるそうです。

 

海外に目を向けると、フランスでは子育てへの支援が厚くしたことで、出生率を1.7から2まで持ち直しています。このように、社会政策で回復してきた例があるんですね。

 

少しそれますが、フランスなどでは、女性が結婚する年齢より、第一子をもつ年齢の方が低いです。

日本では、結婚し、子どもに恵まれる、という何となくの順序が社会的にあるので、驚いてしまいますよね。シングルマザーであっても、それなりに生活をしていけるということで、保育や、手当が充実していることや、文化的な考え方が、出生率の回復につながっているのですね。

 

ちなみに希望出生率についてですが、日本の若年層への調査によると、結婚した場合にほしい子どもの数が、2.1人くらいであります。

そこから、結婚願望がない人もいることを考慮して、「みんなの結婚願望が叶い、望むくらいの子どもがもてたら、出生率はこれくらいになる」という数字を国の目標にしているようです。

 

さて、前置きが長くなりましたが、当ブログは社会保障のブログですので、この一億総活躍のうち、社会保障の関係で、特に介護離職ゼロ、というものを取り上げたいと思います。

 

介護離職とは、親の介護をしなければならないため、仕事をやめてしまうことです。

 

介護は昔は家族が行うのが一般的でしたが、今は高齢者も長生きですし、子どもも少ないし、男性女性ともに働くのが普通ですので、「介護の社会化」が進められてきました。すなわち、家族が介護をするのではなく、社会全体で高齢者の介護をしよう、ということです。

 

そのために、2000年には介護保険もでき、みんなが保険料を払う仕組みを作って、介護事業者も増やして供給も確保してきたのですが、なお親の介護が原因で離職される方もいるので、それをなくそう、ということですね。

 

具体的な取組としては、以下のようなことを進めています。

 

①サービスの供給を増やす

よく、待機児童ではないですが、施設に入れる順番を待っている高齢者がいると聞いたことはないでしょうか。特養という老人ホームには順番待ちの人が全国で10万人くらいいるそうです。介護サービスの供給が追い付いていないため、結局家族が介護しないといけない、という状況をなくすため、整備費を補助するなどで、それを増やします。

 

②介護職員を確保を進める

今、高齢者がどんどん増える中、介護を仕事にする職員さんは足りていません。それには他の職種と比べて給料が低いという理由がありましたので、月々1万円くらいお給料が増えるように、介護サービス事業者に支払うサービス価格を増やしました。

他にも、介護職を目指す人への奨学金を充実させたり、一旦、介護の仕事を離れた人が再就職しやすいよう準備金の仕組みを用意したりします。

 

③介護休業がとりやすく

20代くらいの若い人にとってはあまりなじみがないものかもしれませんが、介護休業というものがあります。これは、親が介護になった場合、手続やら何やらのため休めるという制度です。法律を改正して、休んだ時にもらえる金額を増やしたり、半日だけ介護休業できるようにしたり、、ということをしています。

 

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以上つらつらと書いてしまいました。

社会保障はあくまでも社会のサブシステムであって、価値を作り出し、富を生み出し、お給料で皆に分配される、労働市場のメインシステムを支えるものです。

 

介護離職ゼロは、サブシステムを補強し、メインシステムを下支えするものなのだと思います。

働き盛りの世代が介護のため仕事をやめるって、ちょっと避けたいものですよね。

 

でも併せて考えたいのは、

若者のための介護離職ゼロといいつつ、高齢者への給付が結局のところ増える政策であることですね。

 

かつて19世紀のイギリスでスピーナムランド法というものがありました。

これは、働いても基本生活費(パンの価格から算出)まで達しない人には、足りない分を補てんしてあげる、という制度だったのですが、その結果、どうせ賃金を払わなくても埋め合わせがくるので、企業が給料を下げたり、労働者の勤労意欲を下げたりして、失敗に終わりました。

サブシステムの存在感が大きくなりすぎると、肝心なメインシステムに悪影響を及ぼす、そんな例かと思います。

 

形はちょっと違っていますが、今の日本もサブシステムの存在が大きくなりすぎているのではないかと思います。