20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

話題の本『LIFE SHIFT』を読んでみた

人生100年構想会議という会議が政府内に設置されました。

人生100年時代構想 | 首相官邸ホームページ


全貌は見えないないのですが、今後さらに寿命が延びていく中で、個人や企業はどのようにしてけばいいのだろうか、ということを構想するもののようです。

 

さて、その第1回の会議で、イギリスのLSEのリンダグラットン教授がプレゼントしていたので、早速その資料を拝見するとともに、著書である、『ライフシフト』という本を読んでみました。この本の英語の名前は、『The 100 year Life』 です。政府の会議もこの本を念頭に置いていることは間違いないでしょう。

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今回は、その読書録みたいな記事になります。

 

僕らの親の世代くらいまでは、いわゆる古き良き昭和の時代という感じですが、企業に終身雇用するというのが基本的なライフスタイルであり、
①教育の期間
②現役世代として働く期間
③引退する期間
という3つのライフステージを経ることが一般的とされてきました。


ですが、平均寿命は延び続けており、男性は80歳、女性は85歳を超える社会になっています。これは今の話であって、僕らが高齢者になっているときは、95歳や100 歳になっているのではないかと予想されます。


そう考えると、今の常識だと、年金の受給開始も65歳なので、60歳や65歳で引退して、老後は引退生活・・・というライフプランが描きにくくなります。

 

というのも、まず老後の期間が働いている期間に比して長すぎるので、引退後に必要な充分な所得生活ができません。
さらに、日本の公的年金は、賦課方式で、若い人が頑張って働く分までしか支給しないという制度になっているので、年金受給者が多くなり、若者が少なくなってくると支給額は少なくなってきます。

 

そのため、必然的に働く期間を長くする必要があるのですが、上記の3つのライフステージしかないと、②のライフステージを必然的に伸ばすしかなくて、気が滅入ってしまいますよね。

 

それに対して、著者は3ステージを前提にするのではなく

 

・若くて大卒ですぐ就職して働くことよりも、より多くの人とネットワークを作ったり、自分が何をしたいか探求する期間を模索伸ばす

 

・ずっと同じ企業に勤めるのではなく、再教育の期間をとったり、あるいは自分で企業して働く選択肢を持つ

 

といったように、様々なライフステージを経ることをを想定するべきであると言っています。


具体的には、これからは、「エイジ」とライフ「ステージ」が一致することは少なくなってきて、どのような世代であっても、

①自分に再投資したり、人的ネットワークを広げたりする、エクスプローラー、

②企業に勤めず、独立して仕事をするインディペンデントプロデューサー

③企業、地域活動、個別活動などを組み合わせるポートフォリオワーカー
というようなライフステージを経験する人が増えてくると主張しています。

 

これは確かになるほど、というところがあって、僕の周りの多くの人が企業に就職しても転職をしたり、20代半ばになっても結構「本当にこのままでいいのだろうか」「やりたいことってなんだろう」とかいう人が増えている気がします。

 

逆に将来どのようになるのかわからないといったような、選択肢があるワクワク感や、まだ見ぬ自分の可能性に興奮を求める人が増えているような気がします。

 

これは、著者の言葉を借りるなら、将来への不透明感が増す中で、多くの人がエクスプローラーの期間を20代半ばであっても過ごしているのかなと思います。


また、自分で企業する人もいたり、企業就職するといったインディペンデントプロデューサーという道も一般的になってきているのかなと感じます。優種な人でベンチャー企業に就職する人も増えていますよね。

 

ですが、若いうちにこのようなエクスプローラー的な期間を過ごす人が増えてきた場合、人々の結婚やパートナー選びはどうなうのでしょうか。

 

著者は晩婚化や、少数の子どもを持つ家庭が増えていくだろうと予想します。今のところ、平均寿命が延びたとしても、女性が出産できる期間は延長するということはないそうです。

 

また、人生のうちに、ライフステージの移行期間を何回か経験することになるので、今までの男性は外で仕事をして、女性は家事をするという性的役割分担も変わります。

 

そもそも100年生きれば人生の期間に対する子育て期間の比率も相対的に下りますよね。その結果、男性も女性もキャリアをある程度追求することが合理的なのでキャリア志向になります。
また、いくつかの移行期間も経験するとなれば、男性が移行期間の間は女性側の所得で補完するということも期待されます。そうするとライフステージによって、現在の性的役割分担が逆になったり、一緒に半々くらいでやったりと、柔軟に変わってくるということです。

 

そのようなライフスタイルが一般的になると企業も変わってくるかもしれません。
今キャリアを途中で中断しにくい理由は、そこで一旦中断するとキャリア中断者の烙印が押されれて、将来的に面白そうな、やりがいのある仕事につける可能性が下がるということがあります。上記のように人々の生き方が変わってくると企業の人事制度も変わってくるかもしれません。

 

 

他にも紹介したいことがあります。

 

著者によると、私たちの財産は、お金や不動産などの有形資産、自分のスキルや交友関係などの無形資産があります。

 

さらに無形資産にも、
・スキルや資格など自分の所得を高める生産性資産、
・健康や家庭での幸せなど自分に活力を与える源泉となる活力資産、
・そして自らのライフステージの変化の際に助けとなる変身資産
の3つがあるといいます。

 

この変身資産というコンセプトは面白いですね。具体的にはいろいろなコミュニティの人ととの交友関係や、幅広い知識とかそういうものになるのでしょうか。

 

有形資産・無形資産のバランスはライフステージや人の嗜好によって異なってきます。
また、例えば忙しくて交友関係をおろそかにすると、活力資産や変身資産のが磨り減ってくることもあるでしょう。友達付き合いもメンテナンスしないと摩耗してしまいますよね。


著者はこのような資産のポートフォリオを意識しつつ、100年ライフの設計をしていくべきといいます。あまり交友関係も狭いし、結構自分のスキルも自社専用だったりすると、ちょっと不安になりますよね。。


皆さんは変身資産をもっていますか?
改めて自己点検して、どういう人生を歩みたいのか考えたいと思います。そして、自己投資も継続してやっていこうと改めて思いました。


話を最初に戻しますと、100年構想会議のメンバーは面白く、慶応大学の学生起業家の人や、僕と同じ20代のクラウドファンディングの会社のCEO、80歳代で携帯アプリを作成した方など、確かに上記の100年構想のロールモデルとなりそうな人がメンバーにいて興味深いと思います。


ですが、政策としてこの会議で達成したいことは不明です。例えば、
・今話題の教育の無償化をしていく方針を決定していく
・年金の支給開始年齢の弾力化(今は60歳から70歳まで支給開始年齢を選べますが、これを75歳まで引き上げようという話もあります。)
といった政府の意思決定をオーソライズする場として使われるのでしょうか。


前々回の記事で書いたiDeCoという個人型確定拠出年金についても、基本的に企業勤めであっても、個人事業主になっても、引き継がれる性質がありますので、働き方に中立という意味でこの100年構想には合っている気がしますね。

 

政府は、このような長期的でダイナミックな社会変動に備えることが苦手とも著者は指摘します。根本的に短期的志向、目先のことを考えるという性向があるためです。
この会議がどのような提言がされていくのか、気になりますよね。かなり長くなってしまいましたが、ここまで2したいと思います。