20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

医療保険の自己負担割合を増やすべきか?

最近、本屋さんで平積みでされている本を読みました。

「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法

https://www.amazon.co.jp/%E3%80%8C%E5%8E%9F%E5%9B%A0%E3%81%A8%E7%B5%90%E6%9E%9C%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88%E5%AD%A6%E2%80%95%E2%80%95%E2%80%95%E3%83%87%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%81%8B%E3%82%89%E7%9C%9F%E5%AE%9F%E3%82%92%E8%A6%8B%E6%8A%9C%E3%81%8F%E6%80%9D%E8%80%83%E6%B3%95-%E4%B8%AD%E5%AE%A4%E7%89%A7%E5%AD%90/dp/447803947X/ref=asap_bc?ie=UTF8

この本は、僕がチェックしている経済学者の安田さんのブログで紹介されていて、経済学の本を読みたいなと思って買ったのですが、意外と社会保障の関係の話も沢山盛り込まれていて、面白かったです。

blog.livedoor.jp

 

この作者の方は、ハーバード大学院で学んだ津川さんという方が作者で、その方のブログもこちらにありました。

このブログについては、なかなか面白いと思ったのですが、そのうち、本にも紹介されていた「ランド医療保険実験」というものを紹介したいと思います。

 

healthpolicyhealthecon.com

 

 

この実験では、医療保険の自己負担割合を変えると、人々の受診行動・健康度合にどのような影響があったのか、調べています。

 

日本の医療保険の負担割合は何割かご存知でしょうか。

若い方は3割ですね。

 

高齢者になると、70~74歳であれば2割、75歳以上であれば1割になります。

ただし、70歳以上の人の中で、相当の所得がある人については、3割になるという仕組みになっています。

 

日本の医療保険制度の改革の一つの議論として、高齢者の自己負担割合をあげてはどうか、そうすれば医療費削減になるのではないかという議論があります。

 

これの一つの反論として、「自己負担割合を上げたら、みんな病院にいかなくなる。そうしたら逆に重病になって医療費が高くつくだけだ」ということがあります。

 

なんとなくありそうな議論なのですが、この「ランド医療保険実験」では、

・自己負担割合を上げたら、受診回数が減る。

・とはいえ、健康度合には影響はない(低所得者は除く。)

ということが社会実験として明らかにされました。

 

この実験結果をそのまま日本に当てはめるのはいかがなものか、という主張もあるのですが、一つの議論材料になって面白いですよね。

 

上記の自己負担割合を上げたら、かえって重症化するという話もなんとなく、ストーリーとしてありそうなのですが、本当かなという気もします。

 

人間はこのような因果関係とか、さもありなんストーリーについては理解しすく、一方で、統計的なデータについては軽視するような傾向にあるようです。

 

一番分かりやすいのは映画にもなった「マネーボール」ですよね。このマネーボールの考えが出回った時は、目利きでやってきたプロのスカウトの顰蹙をひどく買ったとか。それでもアスレチックスが結果を残したので、統計の力が思い知らされたわけです。

 

負担増の改革については、政府の検討課題として公式文書でも位置づけられています。感情的な議論や、なんとなくそれっぽい議論があるのですが、このようなデータに基づいた議論ができればいいと思いました。