20代の社会保障のブログ

ニュースで見るけど難しくてよく分からない社会保障を少しだけ噛み砕いていくブログです。若者目線で綴っていきます。

書評:「豊かさ」の誕生

しばらくは、社会保障の話は置いておいて、最近読んだ本をまとめるという作業を淡々としたいと思っています。

 

最近経済史の本を読もうと考え、「『豊かさ』の誕生」(ウィリアム・バーンスタイン)という本を読みました。なかなか面白かったので、ここに自己満足的ですが、感想のようなものを記載したいと思います。

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この本が主張することは、経済発展には4つの要素が必要であるということです。その要素とは、私有財産制、科学的合理主義、効率的な市場、輸送手段といいます。

 

彼が最も重視しているようなのは、私有財産制です。

これはなによりもまず、自分の努力は自分に返ってくるということがなければ、人は努力いないだろいうということにつきます。

 

例えば中世の封建社会や、社会主義国の失敗を彼は例としてあげています。さらに、現在の独裁国家についてもそもそもの私有財産制が確立されていないので、発展することはないと言います。

 

そして、私有財産制を守るのは法による支配です。

法による支配はて古くはイギリスのジョン王の時代、マグナカルタから始まりました。

王様とはいえ、法を守らなければならないとしたことは、人々にいきなり王様から搾取されることはないだろうという気持ちにさせ、自分の富を築こうという思いにさせるのですね。さらにエドワードコークらの活躍らにより、法の支配という基礎が出来たというのです。

 

次に近代的合理主義について彼は論じます。経済史の本であると思ったのに、ガリレオコペルニクスといった科学者たちの話が出てきたのが非常に興味深かったです。中世の社会では、教会の教えに反するものは異端として処罰されることとされていました。そのような中では、地球が太陽の周りを回っているというようなことを、考えるようなこともしなかったでしょうし、考えても、それを隠すようなことになります。

 

しかし、天体を観測する技術が向上したり、明らかに教会の教えと矛盾するようなことが出てきます。これについて、フランシス・ベーコンが仮説⇒実験という、帰納法を唱え、科学は開花しました。これまで、人々は、公理から一つ一つ、こうだからこうで、そしたらこうで、、、というように考えていました。

 

そのような中では、ドラスティックな考えは生まれません。それより仮説思考で、仮設や結論をまずたて、実験で明らかにしていく、というようなやりかたをベーコンは唱えたのですね。

 

さらに、科学的合理主義の成果としてアイディアが蓄積されても、商業化したりするためには、資本が必要になります。これが効率的な資本市場です。事業をするにはお金が必要になりますが、特に重要になるのは、利子です。大昔の世界では、利子が高く、国家の信用もなかったので、利子が数十パーセントということが普通でした。

これが、17世紀のオランダや18世紀のイギリスではどんどん下がってきて、人々はお金を集めるようなことができるようになります。

 

最後のピースとして、産業革命期に誕生したのが、輸送手段です。すなわち、蒸気機関や電信の技術です。蒸気機関が大量生産を可能にし、電信の技術は情報の速度を圧倒的に高めました。かつて、情報は馬よりはやいものはありませんでした。

この世界では地球の裏側で何が起きているかも携帯電話を調べればすぐに分かります、この時代と比べると本当に違いますよね。

 

これらのものが4つ揃うと、大体一人当たりGDPは2%程度の水準で成長を続けるのが先進国であるということです。GDPの成長率は昔の日本とか中国とか10%とかもありましたが、これは本当に昔では信じられないことです。

本当に近代まで、GDPというのは0.00%というように全くといって成長していなかったということです。

 

これに日本を当てはめてみると、江戸時代の日本は、封建制度のもと平和であったものの、私有財産制や法の支配が確立もされていませんでした。これが明治維新以降、一気に西洋にキャッチアップしていったということです。

 

また、筆者は民主主義と経済発展の関係についても指摘しています。

私有財産制のもとで、経済発展をしてきた場合、人々は民主主義を求めるようになるが、民主主義を根付かせたとしても、経済発展はしないということです。

これは確かに、中東で民主的選挙をやっても経済は、、ということを思い起こし、なるほどな、というように思いました。

 

経済発展の成果、民主主義が発展した日本で振り返ると、逆に民主主義が経済発展の妨げになっているのではないかと思ったりもします。色んな人に権利を守らなければならないのが当然となり、シルバー民主主義というようにこともある中で、財政赤字体質の体質を抜け出せていませんよね。これからの世界、民主主義の下どのような展開になるのかということについて考えてしまいます。